先日、ポテトチップス製造大手の湖池屋がポテトチップスなどのスナック菓子の賞味期限を2カ月ずつ延長するというニュースが報じられました。
そもそも、ポテトチップスの賞味期限は、どのようにして決めているのでしょうか。
この記事ではポテチの賞味期限の決め方や、保存方法などを解説します。
ポテトチップスの賞味期限の決め方
ポテトチップスの賞味期限は、主に以下の方法で決定されます。
- 官能検査: 製品を一定の温度と照明を保つ恒温室内に保存し、一定期間経過したものを試食し、味や風味の変化を評価します。
- 理化学検査: 恒温室内で保存した製品の油の劣化度合いを分析します。カルビーでは、過酸化物価(POV)や酸価(AV)を指標として使用しています。
- 微生物検査: 一般的には微生物検査も行われますが、ポテトチップスのように水分値が低い製品は、微生物の増殖が少ないため、この検査は対象外となることがあります。
これらの検査結果を基に、製造業者は製品の賞味期限を設定します。また、賞味期限は製品によって異なります。
ポテトチップスの賞味期限は、消費者に製品の最適な味を保証する期間を示すものであり、賞味期限が切れた後も一定期間は食べることが可能ですが、味や品質が劣化する可能性があるため、注意が必要です。
また、賞味期限が切れたポテトチップスを食べる際は、油の酸化や糖化に注意し、健康への影響を考慮することが推奨されます。
開封後のポテトチップスの保存方法
ポテトチップスは開封後、適切に保存しないと湿気や酸化によって風味が損なわれる可能性があります。以下に、最適な保存方法をいくつかご紹介します。
常温での保存
- 開封後は、袋の空気を抜いて、袋の上部を巻いて輪ゴムやクリップで止める。
- 直射日光や高温多湿を避け、冷暗所で保存する。
冷蔵での保存
- ジップロックなどの密閉できる袋に入れ、空気を抜いてから冷蔵庫で保存する。
- 油の酸化を防ぎ、パリパリ感を保つことができる。
冷凍での保存
- フリーザーバッグや冷凍保存が可能な容器に移し替えてから冷凍庫で保存する。
- 1カ月程度は美味しさを保つことができる。
湿気たポテトチップスの対処法
- 電子レンジで湿気を飛ばし、乾燥させることでパリパリ感を復活させることができる。
- フライパンで乾煎りすることでも、サクサク状態に戻すことが可能。
これらの方法を用いることで、ポテトチップスを美味しく保つことができます。ただし、保存期間は環境や保存状態によって異なるため、早めに消費することをお勧めします。また、保存方法に関する詳細は、専門の食品衛生責任者のアドバイスも参考になります。
ポテトチップスの保存に関しては、湿気や酸化を防ぐことが重要ですので、密封して保存することを心がけましょう。
賞味期限を延長した背景・他メーカー
カルビー株式会社もポテトチップスの賞味期限を延長しています。
2019年10月より、カルビーは「ポテトチップス」の賞味期限を4ヶ月から6ヶ月へと延長しました。この変更は、油の配合の変更や原料、製造時の工夫など、品質上の確認を行った上で実現されました。
また、カルビーはパッケージの賞味期限表示を年月日表示から年月表示へと変更し、これにより工場・物流・小売業における作業負担の削減や、日付逆転による廃棄の削減にも寄与しています。
このような賞味期限の延長は、食品ロス削減の取り組みの一環として行われており、持続可能なサプライチェーンへの取り組みを推進することを目的としています。
まとめ
以上、ポテトチップスの賞味期限の決め方や、延長した理由などについてでした。
フードロスだけではなく、工場や物流への負担軽減も兼ねて賞味期限の延長が決まりました。
災害時の保存食としても優秀という側面もあるポテトチップスなので、買ったらすぐに封を開けずに、一旦とっておくのも今後の選択肢として良いのかも知れませんね。