大炎上中の『アサクリシャドウズ』—UBIの声明とゲームの今後
アサクリシャドウズとは？
ゲームの概要と背景
『アサシンクリードシャドウズ』は、フランスのゲーム会社ユービーアイソフト（Ubisoft）が手がける「アサシン クリード」シリーズの最新作です。この作品は日本の安土桃山時代を舞台に、織田信長に仕えた黒人の従者、弥助（やすけ）と、架空の女忍者奈緒江（なおえ）の物語を描きます。ゲームはシリーズの伝統を受け継ぎつつ、豊かな歴史を掘り下げた物語作りを目指しています。
発売日の詳細と変更
『アサシンクリードシャドウズ』の発売予定日は当初2024年11月15日とされていましたが、さまざまな事情から2025年2月14日に延期されました。この延期は物語の精度を高め、プレイヤーにより満足いくゲーム体験を提供するためのものであり、ファンからの期待に応えるための決断だと、UBIソフトは延期発表の声明で語っています。
しかし発売延期となった2025年2月14日は、「モンスターハンター：ワイルズ」など期待が大いにされているビッグタイトルと同じ発売時期となるため、かえって購入されなくなるなど、売れない要素の一つとなってしまうことが危惧されています。
炎上の理由
主人公弥助の論争
「アサクリシャドウズ」が大炎上した主な理由 の一つは、主人公として設定された弥助に対する論争です。ユービーアイソフトはこのゲームで、実在した黒人従者の弥助を主人公とし、歴史的に有名な織田信長に仕えた時代を舞台にしています。
しかし、弥助を侍として描くことに対し、歴史的な観点から異議が唱えられました。多くの批判者は、彼が実際に侍の地位にあったという歴史的証拠が不足していると指摘しています。さらに、フィクションとしての弥助像が、史実に基づいていないことから、文化的な感受性に関する問題も浮き彫りにされました。
歴史描写への批判
また、「アサシンクリードシャドウズ」内での歴史描写に対しても多くの批判が寄せられました。特に、ゲーム内での描写が「歴史改変」や「雑な日本描写」とされ、日本や世界のファンから非難を浴びました。日本文化の描写が不自然であることや、歴史考証が不十分である点について、オンラインの署名活動が行われ、多くの賛同を得たことは炎上の一つの要因です。
さらに、トレーラーの日本語版に中国語字幕が使用されたことも問題となり、ネット上での反応をさらに広げました。
UBIソフトの対応
公式声明とその内容
ユービーアイソフトは、アサクリシャドウズへの批判を受け、正式に声明を発表しました。この声明では、まず日本のファンに謝罪を表明し、ゲーム中の歴史描写に関しての問題点を認めました。特に弥助を「歴史に名を残すサムライ」として描いた点については、フィクションと史実の境界を明確に伝えることができなかったと反省の意を示しています。また、今後の開発方針として、歴史や文化の正確性に重点を置くことを約束し、多様な視点からの意見を取り入れる体制を整える考えを伝えています。
今後の改修プラン
ユービーアイソフトは、アサシンクリードシャドウズの改修プランを発表し、ファンからの支持を再獲得するための取り組みを進めています。具体的には、予約注文分に関しては全額返金対応を行うとともに、初回の拡張コンテンツ（DLC）を無料提供する計画を打ち立てました。この施策の背景には、販売予定日が2025年2月14日に遅れたことへの配慮もあります。
また、今後のゲーム開発において、日本文化や歴史の描写に関する専門家の協力を求めて、より精密で敬意のある内容に改善する意向を表明しました。これにより、アサシンクリード・シャドウズが再びユーザーにとって信頼できる作品となることを目指しています。
ゲーム業界への影響
ユーザーからの反応
『アサシンクリードシャドウズ』が炎上したことは、ゲーム業界においても大きな話題となりました。ユーザーの反応は多岐にわたり、SNSやフォーラムなどでさまざまな意見が飛び交いました。特に日本のユーザーからは、歴史的事実に基づかない描写への批判が多く見受けられました。
一方で、海外のゲーマーからも「アサクリシャドウズ」の日本文化の描写に対する過度なクリシェについて苦言を呈する意見が散見されました。このような不満の中で、ユービーアイソフトが迅速に謝罪と対応を行ったことで、一部のコミュニティでは若干の安心感を得た人もいたようです。
今後のトレンド予測
『アサシンクリードシャドウズ』を巡る騒動は、今後のゲーム開発におけるトレンドにも影響を与えそうです。まず、歴史をモチーフにするゲームでは、より正確な歴史考証が求められる傾向が強まるでしょう。特にインターナショナルな視点での監修やローカルエキスパートの重要性が増していくと予測されます。
また、ユーザーのフィードバックを迅速に取り入れるための体制の整備も、ユービーアイソフトの今回の対応から他のゲーム開発会社が学ぶべき点として注目されています。さらに、Youtuberやインフルエンサーの意見がゲームのマーケティング戦略に及ぼす影響力も、ますます増大していくことでしょう。
