家計を支えるためにパートで働く主婦の方も多いのではないでしょうか?パートで働く際に、必ず知っておきたいのが「年収106万円の壁」です。
この壁を超えると、社会保険への加入が義務付けられ、手取り額が変わってきます。
今回は、パート主婦の方に向けて、年収106万円の壁について、わかりやすく解説いたします。
厚生年金と106万円の壁
厚生年金とは?加入条件とメリット・デメリットをわかりやすく解説
厚生年金とは、老後の生活を支えるための年金制度の一つです。会社員や公務員などが加入するもので、将来受け取れる年金額は、加入期間や支払った保険料によって決まります。
パートで働く方が厚生年金に加入するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 従業員51人以上の会社で働く
- 週の労働時間が20時間以上
- 月収8万8000円以上(年収106万円以上)
厚生年金に加入するメリットとしては、将来受け取れる年金額が増えること、病気やケガで働けなくなった場合に障害年金を受け取れることなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては、毎月の給料から保険料が引かれるため、手取りが減ってしまうことが挙げられます。
106万円の壁を超えるとどうなる?手取りへの影響をシミュレーション
では、実際に106万円の壁を超えると、手取りはどう変わるのでしょうか?
例えば、時給1,000円で働く方が、週20時間働いた場合を考えてみましょう。
- 年収106万円未満の場合:月収8万8000円、手取り額は約8万8000円
- 年収106万円以上の場合:月収8万8000円、手取り額は約7万3000円
このように、厚生年金に加入することで、手取り額は約1万5000円減ってしまいます。
扶養から外れる?社会保険加入で変わる家族への影響
106万円の壁を超えると、税金や健康保険の扶養から外れることになります。
扶養から外れると、配偶者控除や扶養控除などの税金の控除が受けられなくなるため、ご主人の税金が増えてしまう可能性があります。
また、健康保険も自分で加入する必要が出てくるため、保険料の負担が増えます。
106万円の壁は撤廃される?最新情報と今後の動向
政府は、パートタイム労働者の社会保険適用拡大を進めており、106万円の壁については、将来的に撤廃される可能性があります。
厚生労働省は、2024年10月から、企業がパートタイム労働者を社会保険に加入させる際に、助成金を支給する制度を始めています。
今後の動向に注目し、最新の情報を確認するようにしましょう。
パートの手取りと年収
パートの働き方で変わる!社会保険料と税金の仕組み
パートで働く場合、社会保険料や税金は、働き方によって異なります。
週の労働時間や月収によって、社会保険への加入義務や税金の控除額が変わってくるため、注意が必要です。
106万円を超えない働き方:メリットと注意点
106万円を超えない働き方をする場合、社会保険料の負担がなく、手取りを多くすることができます。
しかし、将来受け取れる年金額が少なくなる、病気やケガで働けなくなった場合の保障がないなどのデメリットもあります。
106万円を超える働き方:メリットと注意点
106万円を超える働き方をする場合、社会保険料の負担は増えますが、将来受け取れる年金額が増え、病気やケガで働けなくなった場合の保障も受けられます。
しかし、手取りが減ってしまうというデメリットもあります。
手取りを増やすには?賢い働き方と節税対策
手取りを増やすためには、自分のライフスタイルや将来設計に合わせて、働き方を選ぶことが大切です。
社会保険料や税金の仕組みを理解し、賢く働き方を選びましょう。
厚生労働省の政策と支援
キャリアアップ助成金とは?活用方法と申請手順
厚生労働省は、パートタイム労働者のキャリアアップを支援するために、キャリアアップ助成金という制度を設けています。
この助成金は、企業がパートタイム労働者の賃金を引き上げたり、正社員に登用したりする際に、支給されるものです。
社会保険適用拡大の背景と目的
厚生労働省が社会保険適用拡大を進めている背景には、少子高齢化による労働力不足や、非正規雇用の増加などがあります。
社会保険適用拡大によって、パートタイム労働者の待遇改善を図り、より働きやすい環境を作ることを目的としています。
パート労働者のための支援制度
パート労働者のための支援制度としては、キャリアアップ助成金の他にも、様々なものがあります。
例えば、職業訓練の受講料を助成する制度や、 childcareの費用を助成する制度などがあります。
女性の活躍推進と年金制度改革
政府は、女性の活躍推進を重要な政策課題として掲げています。
パートタイム労働者の待遇改善や社会保険適用拡大は、女性の活躍推進にもつながると考えられています。
まとめ
今回は、パート主婦の方に向けて、年収106万円の壁について解説しました。
106万円の壁は、手取り額や社会保険、税金などに大きな影響を与えるため、しっかりと理解しておくことが大切です。
ご自身のライフスタイルや働き方に合わせて、最適な働き方を選んでくださいね。